青色申告のためだけじゃない!経営の体温計『貸借対照表』

青色申告者である個人事業主は、一定の要件を満たした申告をすれば、青色申告特別控除を受けることができ、税金が安くなります。そしてその要件の1つが、『貸借対照表』の提出です。

貸借対照表は、現金・預金などの流動資産、仕事に欠かせない機材などの固定資産、借入金などの負債、資本金やこれまでの利益剰余金などの純資産、を計上させた書類です。「資産=負債+純資産」という関係が常に成り立つため、『バランスシート』などとも呼ばれています。

この貸借対照表は、いわゆるドンブリ勘定では作れません。日々きちんと帳簿をつけ、現預金や資産、負債を明確にしておき、年に一度、それをまとめているのが貸借対照表なのです。だから、「税金を安くしてあげるから、その代わりにきちんと経営状態を申告してね」という主旨で税務署はその提出を義務づけているのでしょう。

しかしこれは、青色申告のためだけに作る書類でもありません。経営のためにも、とても重要な書類なのです。

貸借対照表を作ると、その時点での経営状態がとてもよく把握できます。現金は十分にあるか、流動資産と固定資産のバランスはどうか、負債と純資産のバランスはどうか、などが明確になります。

事業を人体に、経営状態を体調に例えた場合、貸借対照表はいわば「体温計」の役割を果たすといっても良いでしょう。発熱している、すなわち経営状態が良くないときには、貸借対照表がちゃんとそれを知らせてくれるのです。

なお、青色申告特別控除を受けるためには他に、『損益計算書』の提出も必要です。これは事業の収支を記録したもので、貸借対照表がある時点での資産・負債の状況を示すものである一方、こちらは収支の流れを流動的に示すものであるといえます。

どちらも、日々の会計を正確にしておかなければ作成できない書類です。正確な会計は、税制上も、経営上も、重要なのです。