個人事業主のものと法人のものは別物!法人の青色申告について

法人と個人の「青色申告」同じものじゃないの?

個人事業主と法人の青色申告は特典などが違うので、実質的には全く別物の制度です。法人が個人事業主向けの「青色申告特別控除」を受けることはできませんし、個人が法人の受けられる「欠損金の繰越控除」や「欠損金の繰り戻し還付」を受けることもできません。

欠損金とは平たく言えば法人が抱える赤字のことです。「欠損金繰越控除」というのはその赤字を次の年度以降に先送りし、先送りした年度の黒字と相殺できるという制度を指します。

この赤字を繰り越せるのは平成29年度以降のものは最大10年先まで、平成27年度以前のものは最大9年、平成23年以前のものは最大7年先までと決められています。

ただし、控除される金額はその法人の資本金の額に比例するため、あまりにも赤字額が大きい場合は控除を受けられない可能性もあるので注意して下さい。

繰り戻し還付=赤字の法人に適用される1年限定の特典

「欠損金の繰り戻し還付」は、法人が黒字の状態で法人税を納めた翌年度に赤字になってしまった場合、その赤字を前年度に繰り戻して法人税を一部還付してもらえるという制度です。

ただし、繰り戻しできる赤字は黒字だった年度の翌年のものだけなので、連続で赤字を出している法人はこの特典を受ける事はできません。

また、欠損金の繰り戻し還付は資本金が1億円以下の中小企業向けの制度なので、規模が大きい法人の場合は制度そのものを利用できない可能性があることにも注意が必要です。

青色申告の手続きの流れは同じ、でも法人は赤字に控除や還付がある

このように、個人事業主の青色申告が所得に対して直接所得控除を受けられる制度であるのに対し、法人の青色申告は主に赤字(欠損金)に対して法人税の控除や還付が受けられる制度となっています。

青色申告という制度名と手続きの流れがほぼ同じ事で混同されがちですが、実際は全く中身が違う制度として認識しておいた方が良いかなと思います。

とはいえ、法人が青色申告をする事で被るデメリットは特にありませんので、適用条件に合うようなら積極的に利用してみるのも良いのではないでしょうか。